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【ネタバレです!】ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 破 感想

映画のタイトルにもなっている破は、序破急の破であることは当然のことながら、
破壊の破であり、破局の破であり、今までのくびきを破って
その向こう側に行くための破でした。

私、エヴァに対しては「おもしろいけど、手放しでおもしろいって言いたくない」と
非常に捻じれた感情を持っているんですが、それでもおもしろかった。
完敗です。

以下感想。ネタバレ注意 。
(ホントに致命的なので少しでも見ようと思ってる方は、たぶん後悔します)

Photo

<総評>

序の次回予告であった「次第に壊れていく碇シンジの物語は~」という文言で、
“壊れていく”が「碇シンジ」にかかるのか、「碇シンジの物語」にかかるのか
懸案だったんですが、見てきた感じだと「物語」にかかるみたいです。

TVシリーズの第八話~第拾九話にあたるエピソードを再構成した本作「破」。
大筋はあってるけど、初号機覚醒に至るまで全然違うルートをたどります。
他にも第三新東京市のガチ要塞都市っぷりや、
観客に絶望感を与えるような使徒の形状まで、何から何まで全く違います。
景気のいいぶっ壊しっぷりに、ワタクシ大喜び。新要素大好き。

そしてなにより一番違うのは、作品全体に敷衍している「前向きさ」です。
序の時から感じてたけど、全体的にポジティブなんですよね。
箱庭的な内側を志向するような描き方がなされた旧シリーズに対し、
アバンにある北極でのNERVユーロ支部の様子や、様々な人の通勤通学の描写、
加治とシンジが話してる時のNERVの館内の描写など、
新劇場版は外を志向するような描写が増えています。
「序」でも、第6使徒(正八面体のビーム出すこわい使徒)戦の際、
NERV本部自爆も辞さない覚悟で戦う職員や
初号機が1射目を外したあと復旧作業をする職員など、
メインキャラクター以外のモブもきちんと描こうという気概を感じました。
この外側への志向が、新劇場版のポジティブさと関係があるんじゃないかな。

根底にあるものは実はそんなに変わっていない。
見方を変えるだけでこんなに違うものなのかと驚嘆しました。
斜に構えてちょっとキザったらしかったエヴァが、
こんなにストレートにぶつけてくるなんて。

12年前夏エヴァで、「みんな死んでしまえばいいのに」という
キャッチコピーで一旦幕を引いた本作が、
「自分のかわりなんていくらでもいる」という人間に「君は君しかいない」と
引っ張り上げる物語に変わるなんて誰が想像したでしょうか。
私はこの変化を快く受け入れたいと思います。
このヱヴァなら、ハッピーエンドとまではいかなくても、
それに近いところには連れて行ってくれるかもしれない。

<細かいところについて>

【お嫁さんについて】
庵野さんの奥さんである漫画家の安野モヨ子さんのキャラが
劇中こっそり描いてあります。
ミサトさんのノートパソコンのロゴかなんかだったと思うけど、
「オチビサン」かモヨ子さんの自画像「ロンパース」
が描いてあったのを見ました。たぶん。
「序」でもミサトの部屋のとっちらかってるなかに、
働きマンの松方が編集やってる雑誌「JIDAI」があるんだよね。
いやぁ、ラブラブですなぁ。

【レイについて】
えこひいきちゃん。
なにげに破の中で一番変わった人なんじゃないかしら。
TVの彼女はやろうと思ってもできないと思う。<食事会
招待状と食事会のテーブルの配置を見ると、
およばれされたのは碇指令、シンジ、アスカだったっぽい。
なにその息詰まる食卓。超見てえ…!
林原さんの「ぽかぽか」の言い方になんだか感動してしまった。
二人目の子はこういう言い方するよね!とうんうん頷いてしまいます。
ぽかぽか、ぽかぽかかぁ。

【アスカについて】
二番目の子。
最初の方はすごく孤独な子でなんだか気の毒になってしまった。
加持さんラブ(子供なんて相手にしないのよというポーズだけど)の設定が
バッサリなくなってて驚いた。思い切りいいな。
シンジに対する好意があからさまになっててかわいかった。
お盆と味噌汁作り、スケスケプラグスーツでサービスサービスぅ!
段々打ち解けてきたところで3号機事件。
3号機の軌道実験前、ケーブルカーの中でミサトとイイ感じの話をした後、
「そっか、わたし笑えるんだ」ってそれ死亡フラグだからーーー!

【3号機事件】
三バカが買い食いして帰る時、
ケンスケがシンジに「3号機は誰が乗るの?と」問い詰めてる傍で、
トウジがアイスの棒の先をみて「ハズレかい」と呟くのがなかなか暗示的。
軌道実験に参加したパイロットはアスカでしたとさ。
第9使徒に侵食される3号機ですが、
ダミープラグにシステムを切り替えた初号機によって倒されます。
みやむーの歌う「今日の日はさようなら」を
バックに初号機が3号機を蹂躙するシーンはすごく印象に残った。
陽気な音楽をバックに凄惨なシーンって
昔ヒッチコックあたりがやってたのを見た気がするんだけど、
凄惨さが際立って効果的ですよね。夢に見そう。
選曲も大変わかりやすかった。音響監督も兼任してる庵野さんの
趣味性と遊び心と皮肉を感じてうずうずしてしまいました。
第9使徒を倒した後、少し暗転するんだけど、
旧シリーズではトウジは足切断、貞本エヴァに至っては死んでる、
という事前情報が与えられてるせいか、暗転中の
お客さんたちの緊張感がすごかった。初日だから濃いお客さんたち
ばかりでしたし。ア、アスカーーーーーー!!みたいな
思わず周りを見渡してしまいました。
その後「殺しかけたんだぞ!」とネルフ本部の上でダダをこねるシンジ
のカットに切り替わって、とりあえず生きていることはわかるんですが、
(お客さんに考える猶予を与えるという意味で)この間の取り方が絶妙で、
改めてエヴァは演出アニメだと思ったり。

【マリについて】
眼鏡の新キャラ、マリちゃん
どんな子かというと、使徒と戦ってる最中、
プラグ内で「365歩のマーチ」を口ずさんじゃうような子です。1日一歩~♪
使徒と戦ってる最中、シンジがテンパってよく叫んでるんで、
エヴァの中がどんだけ怖いか想像がつくんですけど、マジキチ。
第10使徒(最後に出てくる一番強い使徒)を前にエヴァに乗るかどうかで
悩んでしまうシンちゃんを前にして、「乗るかどうかで悩む奴もいるんだ、ふーん」
と流してしまうくらいの戦闘狂。ピーキーすぎるわ。
でも許す。むしろ好き!眼鏡だから!真綾だから!
真綾といえば、作中の英語の発音がきれいでびっくりした。
比較的、真面目ちゃんが多いエヴァの中で、不真面目一辺倒(フリクリですか)だったり、
エヴァの裏コード、ザ・ビーストを知っていたり、新要素を担当したキャラになっています。
急改めQでは、一体どんなポジションを占めてくるんでしょうか。

【幸せと願い】
新劇場版では「幸せ」と「願い」がキーワードの一つなんじゃないかと。
・「幸せは歩いてこない、だーから歩いて行くんだよ♪」と口ずさむマリ、
「幸せにしてあげるよ」と呟いたカヲル。
自分で幸せになるか、人に幸せにしてもらうのを待つか。
・翼をくださいの「今私の願い事が叶うならば~」
リツコかミサトの「人の願いをかなえる、ただそれだけのために」とか。
このへんはまだ考える時間がいりそう。

【カヲルくんについて】
6号機は、月面にあったゼーレの紋章がついた仮面付けたやつを
扱えるようにしちゃったって解釈でいいんでしょうか。
聞くところによると、カヲルくんの中の人は、エヴァにまつわる謎の
おおまかなところを知った上で、カヲルくんを演じてるらしいです。
うらやましい。
あと、入場口の所にあったニュータイプのアンケートに
「カヲルくんをもっといっぱい出してください><」って書いてきました。
笑えばいいと思うよ。

【作画】
原画陣がまさかのオールドガイナとニューガイナのダブルタッグ。
スタッフロール見て唖然としました。
螺厳篇やってたんじゃないんかよ!<ニューの人たち
・パンフに載っている劇中のカット見てて思ったんですけど、
味噌汁作ってるアスカがもろに平松さんですね。
日常芝居はけっこうやってそうな感じ。主に前半のアスカとマリ。
・最後の方、第十使徒に取り込まれたレイに手を伸ばして、
「来い!」って言ってるあたりのシンジの濃い表情は
最初今石さんかと思ったけど、今石さんにメカ作画振らないなんてありえなくね?と考え直した。
すしおさんか錦織さんなんじゃないかしら。
・アバンの北極での仮設5号機と第3使徒の戦闘の
しょっぱなの爆発は、橋本さん?柿田さん?
お二方ともエヘクトはCGと見分けがつかないくらい洗練されてるから、
もうまったくもってこれっぽっちも自信がねえです。
(今序の爆砕ボルトのシーン見ながら描いてるけど、やっぱり橋本さんは
磯さんのフォロワーだなぁと改めて思いました)
・そういえばサトジュンのクレジットが甚目喜一じゃなくて、
ちゃんと佐藤順一だった。当時とは違ってもう東映辞めたからか。
ちなみにコンテはコンペ制なせいで、あんなにいっぱいいるって聞いた。鬼や。
・あと気になったのは、は最初の2号機の初陣で、
輸送機からリフトオフしたときのサーカスっぽいワイヤーアクション。
長尺なのにがんばるなと思いました。
見終わった後、同じアンケートの気になったシーンで
「ワイヤーアクション」と記入してきましたが、
一緒に見に行った友達に「地味!」と言われました。
地味か。地味かも。
・あとは同じく2号機のビーストモードでしょうか。もっかい見たい。
・とにかく見せ場の多い2号機、破の中で、
2号機が一番えこひいきちゃんだったNE!

【CG】
序より格段にCGの部分が増えてました。止めはほとんどCGだと思う。
とにかくCGの使い方がおっそろしくうまい。
モニターをグラフィカルに見せられるところやディティールを正確に描けるところ、
コピペできるところなど、CGのいいところをうまく引き出してて違和感が全然ない。
こんなにCGを使いこなしてるアニメなんて、他にないんじゃね?
モブがまたCGでうまいし、これは作画がいらない時代が来るかもわからんね。
第10使徒戦で、使徒のATフィールドが美しくて、
CGになってよかったなぁとしみじみ思いました。
・パンフのマッキー監督のインタビューによると、
第8使徒(大気圏外から落ちてくる使徒)のエヴァ3機共同作戦のシーンで
初号機がNERVの補助構造物の上を走ってるところは、
CGで描いていて、本田師匠が動きを見てるんだそうです。
作画で描いた時のようにうまくできなくて、
相当苦労したというようなことをおっしゃっていましたが、
ここはやっぱりTVの吉成さんの方がいいなぁ。

あと何回か見に行くつもりなので、書き足すことがあったら
また別エントリ作ります。

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