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劇場版『空の境界』 第七章「殺人考察(後)」 感想

劇場版空の境界最後のお祭り、第7章「殺人考察(後)」の感想です。
今月いっぱいで閉めてしまうというテアトルタイムズスクエアの
でっかいスクリーンで見てきました。
久しぶりすぎてどうやって感想書いてたか忘れちゃった…
奔放に書き綴ってますが、ネタばれしてますよ。

・7章トータルの出来としては、今までの各章の監督の連名ということで
やや統一感に欠けるところはありました。
誰がどこのコンテ描いてるか、なんとなく当たりがつきます。
中盤の幹也が探し回ってるところあたりは少しダレました。
でも、冒頭が一章と同じように幹也が式の部屋を訪れるところから始まるなど、
これまでの6章を彷彿とさせるところが所々あり、
全7章付き合ったお客さんに対する御褒美としては面白い試みだったと思います。

以下、細かい感想。

式と幹也について/
・何がいいって、殺人考察(前)を上回る式と幹也のラブラブっぷりですよ!
冒頭で一緒のふとんに入るシーンで距離は近づいてるはずなのに、
決定的なところにはたどり着けない、微妙なすれ違いのある
二人の様子をあらかじめ見せておいて、殺人鬼と決着をつけるため街を彷徨う式と、
式を連れ戻そうと街を駆けずり回る幹也という風に二人のすれ違いが大きくなって、
最終的には、倉庫の君を許(はな)さないに繋がっていくのがうまい。
この最後を見るたび、つくづく式が日常に帰ってこられてよかったと思います。
お互いの部屋から電話をかけあうシーンがいいですよね。
式が電話かけてる途中で、「これ幹也の部屋か」と気付いて、
会話の終盤で大輔兄さんが幹也の部屋に来たときと同じレイアウトで
映し出されてすっごくニヤニヤしてしまいました。
これって帰ってくる場所はお互いのところしかないってことですよね。
だから、式が殺人鬼を探して彷徨しているシーン(ラブホで泊ったりね)が
対比になって生きてくる。
空の境界は基本的に式と幹也二人のラブストーリーですが、
殺人考察は特にその側面が強いですよね。
ほんと、返す返すもラブラブよ。

白澄里緒について/
・自分でも驚いたんだけど、劇場版は里緒ちゃんに感情移入してしまいました。
小説読んだときは「自業自得じゃん」ぐらいにしか思わなかったんですが、
今回見たときは気の毒に感じました。
初めて読んだ時から何年も経ってるから私の感じ方の変化も影響してるんだろうけど、
行くところまで行っちゃって、絶対に助からないのがわかってる
追い詰められっぷりがすごくて、「うわー」ってなりました。
(特に先輩の隠れ家で幹也と話してるシーン)
式のコスプレしてるのも特別になりたかったっていう願望の表れだし、
荒耶に起源を覚醒させられたのはいいものの役にあぶれちゃった悲哀を感じます。
パンフのインタビュー読んでても、きのこる先生は
“人間なら最低限このラインを守っとかなきゃアカン”という線引きが厳しいよねと思った。
キャラクターを甘やかさない。荒耶もFateのマーボー神父もそうだけど、
人倫や法則から外れるようなことをすれば、必ず報いを受ける。

里緒といえばやっぱり式を監禁してアレするところがすごかったけど、
唾液の処理が必要以上にえろくしないように、汚らしくしないように
撮影がえらい気を使ってて感心した。

細かいところ/
・里緒が役にあぶれちゃった人だとすれば、橙子さんは役を終えた人。
店じまいを匂わせるセリフがしぐさが、終わりなんだなぁと
感じさせて、少し切なかった。
・音子さんの予想外のかっこよさに「姐さん!」と呼びたくなりました。
・あと式の回想シーンで地味に式のお兄ちゃんが登場してるんですが、
お兄ちゃんが妹に対するコンプレックスで凝り固まってるのが一瞬でわかって
大変萌えました。

・劇場で初めて主題歌を聞いたんですけど
まさかのメインテーマ(式のテーマ)のアレンジ。
劇場版を締めくくるのにこれ以上相応しい歌もないでしょう。
エンドロール見ながらずっと鳥肌が立ってました。
こんなの一章以来です。

作画について/
式と里緒が初めて遭遇するシーンで、里緒が式を挑発して、
腕切り落とされたすぐあとの式と里緒の殺陣が素晴らしかった。
7章見てきたその足で、高円寺のufotablecafeにも行ってきたんですけど、
そのシーンの原画がありました。うーん、うまい。

ラストの幹也が式のところに這っていくところ。
映画全体の尺も考慮に入れると、長めに尺をとって
じっくり描いてて、力の入れようが伝わってきてよかった。
実際に誰かに這ってもらって作画したんじゃないかな。

後パンフでも触れてたけど、
最初の方の草描き分けてるところすごかった。ほんと何事?!って感じ。
どうやってやってるのと思ったら作画らしい。ちょっと頭おかしいよ!

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全七章の総括感想/

映画というよりは出来のいいOVA。
もともと同人誌で発表された作品ということもあって、その内輪向けの密室性と
劇場版のプライベートフィルム的な側面と響き合ってるのが面白かったな。
「わかる人にだけわかってもらえばいい」という悪く言えば独りよがり、
しかし孤高なスタンスは原作小説と変わらず、
空の境界の精神を受け継いで体現しているようでした。

2年近く劇場版空の境界を見てきて、
(レイトショーだから)電車がなくて帰れない!とか三章の初日舞台挨拶大雪かよ!とか
いろいろ思い出はあるんですが、一番印象に残ってるのは、
やはり一章の一般向け試写会ですね。
見終わったあとで入口付近でうろちょろしてたところ、
関係者らしき人に「どうでしたか?」と聞かれて
「おもしろかったです!」と答えた覚えがあります。
後でよく考えたら、その人岩上プロデューサーじゃね?と思い当りました。
うろ覚えだから、今でも確信はないけど。

劇場版製作が発表されて以来(2006年冬コミ)、
ずっと追いかけてきました。
発表されるその都度に、興行記録やDVDのセールスが記録を更新されて、
「随分遠くに行っちゃったな」という思いは正直あります。
でも一番最初に見た時の劇場版空の境界の鮮烈な印象と
「おもしろかったです!」という気持ちは最後まで変わりませんでした。
7章連作とか、ほんとおバカにも程があるけど、
原作ファンとしては、ほんとに夢みたいな劇場版でした。
私は最後までこの作品と付き合えて幸せでした。ありがとうございました。

今までの感想リンク
1章 2章 3章 4章 5章 6章 7章

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